○発達段階と慢性期
 慢性期は、疾病や障害などをもつ自分を新たな自分として受容しながら生活をしていくという課題がある。そこには、疾病や障害の種類や程度により、様々なな治療の継続や技術習得などが必要になる。そして、何よりも、それを生活の中に取り入れて持続するという大きな課題がある。そのような課題に、患者が自ら取り組む姿勢が重要である。これには障害の現状を認識する認知機能、技術を習得・実施するための運動機能、それらを継続する意思などが重要である。これらの実際は発達段階のよってかなり異なるため、各機能の発達段階と個別の能力を正しく把握したうえで、対象者に適した方法を選択する必要がある。
 成人期では、社会的役割を果たしながら、生活を維持することを中心に、セルフケア、セルフコントロールができるように、その人の存在意義(存在意味的側面)のサポートを欠くことなく、社会生活ができるよう支援する。成人期では、セルフケアに重点をおいて、本人を尊重するあまり、療養を本人の行動責任に任せて放置しがちであるが、家族や友人・仲間、社会の協力を含めて、QOLの高い慢性期を過ごせるように見守ることが重要である。小児期において糖尿病、喘息等の慢性疾患が発症した場合、成長して成人期になる患者をキャリーオーバーと呼ぶが、成人期の患者へのケアにおいての今後の課題となっている。