4PTCDドレナージチューブの管理

術前に閉塞性黄疸にかかっている場合はPTCDなどで減黄し、全身状態の回復を待つ場合がある。PTCD用チューブは、Tチューブやネラトンカテーテルに比べるとかなり細く、胆泥や胆砂によってつまりやすい。また、固定が難しく抜けやすい(図2)
①チューブからの排液の性状,量の観察
②血性のときは胆道出血を疑い、バイタルサインとともに頻回に
チェックする出血の増量やバイタルサインに変化をきたしたらす
ぐに医師に連絡する
A一般的管理
•処置後しばらくは安静,バイタルサイン,尿量,疼痛,発熱,悪寒戦慄,意識状態など
•血圧下降,冷汗などショック症状➝腹腔内出血の疑い➝血圧頻回測定,血液検査,輸液,輸血、止血剤大量投与,開腹手術
•発熱,疼痛,筋性防御➝胆汁漏出,胆道内出血による胆管炎の疑い➝PTCDチューブからの胆汁流出状況のチェック(洗浄・造影)
•悪寒戦慄,チアノーゼ,発熱➝菌血症➝ショック対策,抗生物質の大量投与,ステロイド
B胆汁排泄に関する管理
•胆汁量、性状、洗浄
•胆汁排泄に伴う体液,電解質アンバランスなどの注意と補正
•胆汁排泄が少ない,スムーズでない,混濁,緑色化あるいは血液混入の時➝PTCDチューブの胆管外逸脱,位置不良➝チューブの洗浄,造影➝チューブの位置修正,再 PTCD
•チューブの位置が適切で胆汁排泄が少ない➝肝細胞障害➝肝庇護
•胆汁排泄量が大量の時(2000~5000ml/日)➝肝の胆汁排泄障害,膵液の混入➝hypovolemiaの補正➝血液ガス,電解質チェック➝胆汁の腸内還元(経口,内瘻化)
●PTCDチューブの胆管外(肝外)逸脱:肝臓の吸収性移動による胸腹壁とのずれによる場合で、胆汁の腹腔内漏出により腹膜炎を生じ、患者はカテーテル挿入部痛を訴え、胆汁量の減少と緑色混濁化を認める。また、チューブの固定不良や患者の体動によるチューブの抜去もある。したがって、胆汁量,チューブの固定状況のチェックは必須である。
●PTCDチューブ挿入に伴う二次感染:チューブの管理は原則として無菌的に行うが、長期にわたる挿入では、適宜、胆汁培養を施行し、抗生物質の投与をする。
●水,電解質の喪失:流出される胆汁が500ml/日以上の場合は、水分,電解質のバランスに注意する
③順調な排出を促すために、訪室ごとに、チューブが体外で屈曲していないことを確認し、ミルキングする。流出しない場合、接続部で胆泥等が詰まっていることがあるので吸引して見る。それでも流出しない場合は胆管からチューブが抜けている可能性があるので医師に連絡する。
④チューブ内でのつまりを予防するために、胆管分岐部の過度の拡張や痙攣痛をおこさないようにして、滅菌された生理食塩水で1日20mlをこえない程度に毎日洗浄する。
⑤カテーテル挿入部からの感染を予防するために、毎日挿入部を消毒し、ガーゼ交換を行う。このとき胆汁漏出の有無を確認する。
⑥チューブの固定は、患者の体動によって圧迫されたり引きぬかれることがないように挿入部付近でループを1つ作って固定する。
⑦チューブ挿入翌日より疼痛を訴える場合には合併症を疑い、医師に連絡する。

生じやすい問題
# 胆汁のうっ滞により、黄染,皮膚掻痒感,全身倦怠感等の症状が強い
# 経皮的膵胆管ドレナージに対する知識がないため不安である
# ドレナージにより、日常生活に制限があり、苦痛が生じている
# PTCD施行により胆汁性腹膜炎,腹腔内出血等の合併症を起こしやすい
# 胆汁のうっ滞,乳遊物により閉塞が起こる可能性がある。
# 二次感染が起こる可能性がある
# 施行後1週間以内のチューブ抜去(自然抜去,自己抜去)は瘻孔が完全でないために胆汁性腹膜炎を起こしやすい
# 胆汁の成分であるNa,K,胆汁酸が体外に排出されるため、脂肪の消化吸収が損なわれ、下痢傾向となりやすい