3)合併症の治療
針生検の合併症は保存的に治療可能なものが多い。少数ではあるが血気胸・検査後出血・胆汁性腹膜炎は重篤化すると外科的緊急手術を要することがある。循環血液量減少に最も敏感に反応する指標は脈拍であり、1,000ml以下の出血では血圧に変化がみられないうちに著明な頻脈を呈する。一般的に急性出血では脈拍100以上で皮膚蒼白を呈した場合約1,OOOml、脈拍110以上、血圧80~100mHgでは約1,500m1、脈拍140以上、血圧70mHg以下では約2,500mlの出血が予測される。肝生検を必要とする患者では出血傾向の状態にあり、自然止血を期待し難いので早期に輸血と止血剤投与を開始し、200 ml/時問の出血が持続する場合は緊急手術の適応となる。
胆汁性腹膜炎では、腹痛と圧痛の強さと範囲が時間とともに拡大し、筋性防御・反跳痛などの腹膜刺激症状がはっきりしてきた場合は緊急手術の適応となる。
血気胸では、穿刺針が細い場合はテフロン針などで脱気または血液の除去を行うだけで軽快することが多いが、肺虚脱を伴っていたり穿刺排液後もすぐに貯留してくる場合は、緊急にトラカールを挿入して胸腔ドレナージをしなければならない。