【下部消化管造影とは】
 下部消化管造影は腹部症状や便潜血反応陽性などで大腸疾患が疑われる場合や大腸疾患のスクリーニング検査として行われるレントゲン検査法の一つである。大腸検査では問診、便潜血反応、直腸指診の後に下部消化管造影が行われるが、本検査だけですべてが診断できるわけではなく、内視鏡検査をはじめとした他の検査法を組み合わせて総合的に診断することが重要である。

【目的】
 下部消化管造影の目的は通過障害、出血症状、腹痛、肛門症状、腹部腫瘍触知など大腸疾患を疑わせる腹部症状を訴える患者で、①病変の有無②病変の存在部位や大きさ③病変の質的診断──などを診断することである。
【適応、禁忌】
 下部消化管造影はおもに大腸疾患の形態学的診断の一つであり、①粘膜面の変化(隆起、陥凹など)②腸管壁の変化(狭窄、変形、スパズムなど)③腸管外の変化(圧迫、憩室、瘻孔、捻転など)を読影して診断する。したがって、大腸の腫瘍性病変、炎症性病変、機能異常、形態異常、大腸に影響を及ぼすような腸管外病変など、ほとんどすべての大腸病変が下部消化管造影ノ適応と考えられる。
 しかし、以下に述べる症例では厳重な注意が必要である。
<厳重な注意を要する病態>
1.明らかな通過障害がある場合
2.出血、下痢などの高度な炎症が疑われる場合
3.潰瘍性大腸炎