【憩室炎が疑われる場合】
① 大腸癌などによる明らかな通過障害がある場合は、下剤による前処置によって腸閉塞をきたす危険性が高いので、注意して前処置を行うべきである。この場合は狭窄部の位置を知ることを目的とすればよいので、一般的には微温湯で洗腸し、あるいは前処置なしで水溶性造影剤であるガルトログラフィンによる注腸が行う。
② 出血、下痢など高度の炎症が疑われる場合は、クエン酸マグネシウム単独投与で前処置を行う。
③ 潰瘍性大腸炎が疑われたり、あるいはその経過観察中に直腸検査を行うと、中毒性巨大結腸症を惹起して病状が悪化する場合がある。
④ 憩室炎では穿孔をきたす危険がある。

【方法】
 下部消化管造影には経口的造影法と非経口的造影法とがある。後者はいわゆる直腸X線である。腸の小さな器質的病変や炎症性変化の描出にも優れているため、現在では下部消化管造影の主流となっている。
1、経口的造影法
 経口的にバリウム200~400mlを飲ませ、経時的に小腸を含めた検索に用いられる。
 小腸造影に引き続いて大腸の病変検索を行う方法である。大腸の位置異常・機能異常の検索や炎症が極めて強い場合などに利用されるが、腸閉塞患者には禁忌である。
2、二重造影法
 非経口的造影法の一つで、造影法と空気のコントラストの差を利用した検査法である。二重造影法を成功させるためには、
① 十分な前処置 ②適当な濃度と粘稠度の造影剤の使用 ③適当な注入空気量
などの条件が重要である。