≪脳≫
脳は、その機能・構造から大脳、脳幹(間脳・中脳・橋・延髄)、
小脳に分けられる。
Ⅰ、大脳
1、大脳の構造と各部の名称
大脳半球表面を観察すると、脳溝とよばれる数多くの溝がみられる。
著明な脳溝のうち、中心溝(ローランド溝)によって前頭葉と頭頂葉が、
外側溝(シルビウス溝)によって前頭葉と側頭葉が区別される。
そのほか、後頭葉、大脳辺縁系などが構造的に区別される。
各脳葉はそれぞれに特徴的な機能を持っている。
大脳半球内部を肉眼的に見てみると、半球表面にある灰白質(大脳皮質)と、
その下に続く白質(皮質下組織)に分けられる。
灰白質は神経細胞の集合であり、
白質は神経細胞から長く伸び出た神経線維の集団である。
なお、半球深部にも灰白質があり、
大脳基底核とよばれる神経細胞の集団を作っている。
左右のそれぞれの大脳半球は、脳梁で連絡されている。
灰白質、白質とも、その病的変化(脳腫瘍や外傷による損傷など)の観察・分析や
動物実験の積み重ねなどによって、部位ごとの働き(機能の局在)が
解明されてきている。
次にその部位による働きを説明する。