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⑤.呼吸運動

呼吸は、肺が自動的に膨張と収縮を繰り返すのでない。

肺の入っている胸郭が、呼吸筋(横隔膜、肋間筋、腹筋)や

呼吸補助筋(胸鎖乳突筋、斜角筋など)の運動で、

膨らんだり・縮んだりすることによって行われる受動的な運動である。

 

吸気(吸息)は、まず外肋間筋が収縮して胸郭を前後・左右に広げる。

これと同時に横隔膜が収縮して下降し、胸腔をさらに広げる。

すると胸郭内の内圧が下がり(陰圧)、弾力性の大きい肺は膨らんで外気が

気管から吸い込まれ、空気が肺胞まで入っていくのである。
○障害されると→
吸気時に使われる筋肉は、肋間筋と横隔膜である。

呼吸筋やそこに分布する運動ニューロンの異常、あるいは

呼吸筋は正常でも胸郭の運動が制限されるような病変があれば、

肺を十分にふくらませることはできない。

 

横隔膜の収縮は第4頸髄(C₄)から出る横隔神経に支配されており、

C₄レベル以上の頸髄損傷では呼吸筋麻痺が生じる。

一方、ふつうに息を吐くときには呼吸筋の運動は必要なく、

吸気筋を弛緩させると自動的に安静呼吸位まで肺が収縮する。

 

しかし、息を強く吐き出す際や咳をする際には内肋間筋や腹筋などの

呼気筋の作用が加わることになる。

胸郭の動きと連動して肺が拡張・収縮するためには、胸腔内で肺が胸壁に

密着していなければならない。

 

しかし、外傷や自然気胸で胸壁や肺表面に穴が開いて胸膜腔が大気圧に

解放された状態になると、肺はそれ自身の収縮力により縮んでしまい、

胸郭の動きと連動しなくなる。

 

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