★灰白質の各部のはたらき
大脳皮質
灰白質(大脳皮質)は、
前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉、および大脳辺縁系に分けられる。
①前頭葉
四肢の運動などに関係する。
中心溝の前にある中心前回(前ローランド脳回)は
運動野とよばれ(運動領野または運動皮質ともよぶ)、
反対側の身体各部に対応する運動の中枢である。
反対側の運動を支配するのは、錐体路とよばれる運動神経線維束が
延髄下部で交差(交叉)していることによる。
また、前頭葉下部には、運動性言語中枢(ブローカ中枢)が存在する。
右ききの人の96%、左ききの人の70%が、左側にあるといわれている。
運動野が障害されると、反対側に片麻痺などの種々の運動麻痺を生じ、
ブローカ中枢が障害されると、運動失語が起こる。
優位側の前頭葉の障害では、行動や人格に変化が生じ、記銘力が低下する。
非優位側の前頭葉のはたらきは、
ほとんど知られていない(ここをサイレント領域とよぶ)。